012652 ランダム
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Supica's room

Supica's room

雨の日に

「今から傘を買いに行くんだ」

と彼は言った。



当然返ってくる返事は無い。

なにせ今は雨が降ってる。

「雨が降っているんだ。だから傘を買いに行くんだ。」

と彼は言った。

雨音だけが静かに窓から滑り込む。

「わかったよ。そこまで言うんだったら一人で行ってくるよ。」

彼はドアを思い切り開けて傘を買いに行った―――――。





「というわけで、僕らはこれから彼を探さないといけない。」

佐藤君は皆を集めた。

「彼は傘を買いに行ったために、傘を持っては行かなかったようだ。」

「今頃ずぶ濡れと言うわけか。」

と加藤君は言った。

「早く探さないと。明日大学の試験なのよ彼。」

と伊藤さんは言った。

隣で阿藤さんも頷いた。

「おそらく表参道の少し路地に入った無印にいるはずだ。」

「彼お金無いもんね。」

三藤君が言った。

「だったらコンビニのビニール傘を買いに行くんじゃない?」

と武藤さんが言った。

「無理無理。彼ビニール恐怖症だもの。観るのだけでも嫌なんですって。」

と古藤さんが言った。

「大変ねぇ。」

と工藤さんが言った。

そして、それぞれ自分のお気に入りの傘を持って、ヒマつぶしに出かけた。



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